眠り姫の唇



「…仕事しなよ、三國。」


瑠香は呆れながら軽くため息をついた。


それでも絶望したような顔のまま、三國は机に突っ伏している。


「…お前には“どうしたの?大丈夫?”とか聞く女子独特の優しさはないのか…っ!」


「朝聞いたじゃん。」



そうなのだ。三國は朝からこんな感じで、そう聞いたときも“…なんでもない”と言っていたので軽くスルーした。


こんなんじゃ、上司に帰れと言われてもしかたないのに、三國は意外とそこら辺はうまいことやっている。



「瑠香、そんなゴミくずほっときなさいよ。」


リサが鬱陶しそうに三國に目を向けた。



「どーせ、あの女に“この間の話はなしで☆じゃーねー☆”とか言われたんでしょ。」


「え?そうなの?」



きょとんとしてリサを見ると、後ろの方で呻き声を出しながら三國がヨロヨロと動く。



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