眠り姫の唇






こんなに、



こんなにも、濃い1日になるなんて、



思ってもみなかった……‥。











翌日。

どうやら岩城は宣言通り、桜子になにか伝えたらしい。


勤務終了後、暗い顔をした三國に瑠香は伝言を言い渡されたのだ。





“10番会議室で”





瑠香はぐっと唾を飲み込んだ。

多分、


いよいよ本人にあう事になるのだろう。


緊張する…。


パソコンを見つめつつも、瑠香はいつもより背筋を伸ばして、戦闘体勢に入った。




……‥






「はじめまして。」




「…どうも。」



目の前のにこやかに微笑む彼女に少し拍子抜けする。



瑠香は仕事終わりに指定された通り会議室にやってきて、やっと目的の人物と対峙することが出来た。


てっきりいきなり殴られるのではないかという物騒な事まで覚悟していたので、


こうもあっさり笑顔で話しかけられると逆に自分が余裕のない人間なような気さえしてくるから不思議だ。



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