眠り姫の唇


そんな事、想像するのも気持ち悪い。


岩城が他の女の人に触るのなんか想像したくない。


やめて!と叫びたいのを我慢して、桜子の言い分を全て聞く事にした。


瑠香の事を“浮気相手”と豪語する桜子の話を。


全部聞いた上で、瑠香は堂々と言うつもりだった。



「…それでね、やっぱり私も彼を愛してるから、どうしても別れられなかった。彼が離してくれなかった。…それだけ、私が必要なのね。コロコロ代わる浮気相手とは違って。」


「浮気相手って…そんなに変わってるんですか?」


瑠香は話に食い付いたフリをする。

桜子はそれにキラリと瞳を輝かせた。


「そうね、色々いたと思うけど、名前までいちいち覚えていないわね。」


「そうなんですか。」


名前は言わないか…。なるほど。後々面倒な跡がつく。


「だから、ね?私は本妻だから我慢出来るけど、高江さんまだ若いんだし、綺麗だから、ちゃんとした恋愛、また出来るわよ。」


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