眠り姫の唇
瑠香はびっくりしたような顔をした。
「(岩城さん、詳細は言っていないんだ…。)」
もう既に、瑠香がアレを発見していること。
ほとんど一緒に暮らしている事。
だんだん分かってきた。
知らないんだ、この人。
だから既に岩城と一緒に住んでる女に堂々と“私が本妻だ”といえるのだろう。
立場からいうと、どう考えても“自分達浮気してます”といったほうがまだ真実味がある。
そもそも、浮気といわれたとしても、四六時中一緒にいたがる岩城からはピンと来ない。
そんな暇、ないと思う。
浮気する時間があるなら、会社でぐらいだ。
しかし、休憩もろくに取らない岩城にそんな時間あるのか?
答えはすぐに出てくる。
この人は、岩城があんなに寂しがり屋だなんて、知らないのだ。
ただ格好いい、仕事の出来る男の人ということしか分かっていないのだ。