眠り姫の唇


急に質問責めをしてきた瑠香に対し、少し焦りながら桜子は毅然と答えた。


「あなたにいうのも酷だけど、そうよ。最後までしたわ。何回もね。」


あ、ボロが出た。


瑠香は淡々と言った。


「何回もですか。では、ゴミは相当な量になったんでしょうね。いったい何回分でしょう。ゴミ箱がなかったなら、キャリーバックに詰めるしかありませんものね。」


「あ、ああ、えっと、違うわ。」


桜子は途端に慌てだし、言い訳がましく答えた。


「最後の一個だけキャリーバックに詰めてたと思うわ。初めの方は私が処分したから。」


「…ふーん。」


嘘で塗り固めた化粧が、


ボロボロと剥がれ落ちていく。

「とにかく、もしそれがあったら、もう岩城さんに今後近付かないで!約束して!」


なんでそれが出て来たら近付いてはならないのか。


ワケの分からない言い分に瑠香は首を傾げる。


「イヤですよ。なんでそんな約束しないと行けないんですか。」


「なんでって…っ、あなたねぇ!本当にさっきからしつこいったらありゃしないわ!普通浮気相手が身を引くものでしょ?!」


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