眠り姫の唇
「私は岩城さんと今一緒に住んでいます。
もう2ヵ月近くになります。
その間、甘えたな岩城さんは“本妻”という存在のあなたに会う気配すらありません。
本妻さんが岩城さんの家に上がらないなんて、しかも浮気相手とずーっと一緒にいることをしらないなんて、そもそもおかしな話じゃないですか。
あなたは岩城さんと付き合ってないと思います。
出張先の事についてもです。
あのゴミ、岩城さんのとサイズ全然違ったんですけど。
おおかた家にあった前カレの物でも持ってきたんじゃないですか?
普通フリーサイズとかの方が良くあるのに、わざわざあのサイズにしたということは、間に合わせだったんでしょう。
そもそもそんなのにサイズとかあるなんて知らなかったんじゃないですか?
私も知らなかったですけど…。
ちまみに岩城さんのはメーカーも違うし、サイズはLです。S使える訳ないんですよ…。
後、出張中に聞こえてきた声、“彼女がいるのにいいんですか?”と喋っていました。
…嘘の設定がもうめちゃくちゃです。
…そしてなにより、岩城さんはそんな人ではありません。」
今までそれなりに口数も少なく、聞き役に回っていた女がいきなりマシンガントークをキレ気味に発射させてきたので、桜子はあっけに取られていた。