眠り姫の唇


「……っ。」


何か良い言い訳はないかと目を左右に動かす桜子に対し、瑠香は優しく息を吐いた。


「…でも、あなたが岩城さんをどんな形であれ、好きだということは認めます。」


「…!」


「ずっと昔から…好きだったんですよね。仕事も岩城さんのおかげで頑張れるぐらい、好きだったんですよね…。」


「……。」


なのに急に私みたいなのが現れて、腹が立ったんですよね?

応戦しようと思ったらもう入り込む隙間もなくなってたんですよね…。


瑠香はそう心の中で喋りかけながら、じっと桜子を見た。



「でも、やっぱりどんな理由であれ、こんな嘘は最後にはバレますし、こっちも良い気分はしません。だから、もうやめてください。」


「分かったような口聞かないで!!」


ガバッと顔をあげ、桜子が瑠香を思い切り睨み上げた。


「なによさっきからえらそうに!!あなた何様のつもり?!」


「えっと…」


何様と言われても。


瑠香は困ったような顔をした。


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