眠り姫の唇


「赤くないじゃないですか!」

「なんだ、確認したのか?」


ぷっと吹き出しながら岩城は車を発進させる。


「でも、照れてただろう?」


「照れてません!」


またぷぷぷと岩城は笑いそれに反比例して瑠香の眉間のシワが増える。


「左?」


「知りません!」


「そう怒んなよ。」


そう上機嫌で左に曲がり終わると、岩城はコロンと瑠香の膝に何かを転がす。


瑠香は膝に可愛く乗っかるチョコを見て、意外そうに岩城を見つめた。


「それで機嫌直せ。」


「……。」


無言で包み紙を剥き、ブスッとしながらも口にチョコを放り込む瑠香を横目に、岩城はまたこっそり笑った。




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