眠り姫の唇


岩城の柔らかい唇が瑠香の首を優しく攻めた。

いったい自分はどんな表情をしているのだろう。

満足そうに岩城は口の端を上げる。

「やっぱり首がイイんだな。」


するすると下の方へ落ちていく唇に、瑠香は気がおかしくなりそうだった。


強引なくせに、どこか逃げれる隙があって。

でも何故か逃げ出さない自分に困惑する。

涙目になりながら岩城を睨むと、子供にでも諭すように岩城は瑠香にキスをした。


「瑠香。無防備過ぎるお前が悪い。」


「…っ、悪いのはどう考えても岩城さんだと思うんですけ……っ」


最後まで喋らせてもらえず、今度は耳を攻められる。


「なんだ。瑠香は耳も弱いのか?」


そんなの知らないよ!と思いながらも、今ははしたない声しか自分の口から出てこない。


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