眠り姫の唇


気がおかしくなりそう。


岩城の唇が鎖骨の下へスルスル下がって行く感覚に、瑠香はとうとう限界を迎えた。


「岩城さっ…!お願いもぅ…無理…っ」


ぴたりと岩城は動きを止め、満足げに瑠香を見上げる。


すくっと立ち上がり、しばらく動けそうにない瑠香の頭をポンポンと褒めるように撫でた。


「ヨクデキマシタ。」


「~~~~~~っっ!!」


かなり屈辱的である。


瑠香は急いで服のボタンを元に戻し、濡れた髪のまま布団に潜る。


変態変態変態変態変態変態変態変態!!


そんな瑠香にお構いなしに岩城はラフな服に着替え直す。


「おい、パスタとラーメン、どっちがいい?」


「…。」


「瑠香。」


「…ラ ァ メ ン !!」


布団の中から怒鳴るように聞こえてきたその声に、岩城はまたぷっと吹き出した。



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