眠り姫の唇
「じゃ、私そろそろ帰りますね。」
ボーっと二人でお昼のニュース番組を見ながら、瑠香は口を開いた。
途端に岩城が怪訝な顔をする。
「…そんな怖い顔しないでくださいよ。だって折角の日曜日ですし。」
「良く分からない理屈を言うな。」
その言葉、朝のあなたにそっくりそのまま返すわ!!
「ここにいれば良いだろう。」
「や、だって、洗濯物干したいですし、」
な、なんなのだ。
「ここで干せば良いだろう。」
「いや、その洗濯物は私のうちにありますし。」
「…。」
何故だか不機嫌な岩城に瑠香は戸惑いを隠せない。
なんなんだこの人。
「…掃除もしたいですし。」
「ここの掃除をすればいいだろう。」
「それは根本的に間違ってます。」
「…。」
「…なんなんですか。なんかまるで、」
私に帰って欲しくないような。
「分かった。送って行ってやる。」
そう言うと、岩城はため息をつき、ソファーから腰を上げた。