眠り姫の唇


「3分で準備しろ。」


「あ、それ、“40秒で支度しな”ってセリフに替えてもらっていいですか。」


「あ゙ぁ?40秒で準備出来るのか?」


「…。」


冗談の通じない男に一別を送り、瑠香は急いで荷造りをする。

岩城は玄関に立ちながらじっと瑠香を見つめた。


「…変な女。」


すると部屋の奥から叫び声が帰ってきた。


「ちょっと!聞こえましたよ!岩城さんの方がずっと変な人だと思いますけど!」


地獄耳の女に岩城はまたこっそり吹き出した。


















「あの、意味分かんないんですけど。」



「なんだ。」




「私一言も家に岩城さんを入れるだなんて言ってません。」



「お前も俺の部屋にあがったんだ。俺がお前の部屋にあがってはならない理由なんてない。」

我が物顔でぺたんこの腰掛け椅子に座りながら岩城はジロジロ部屋の中を観察する。


「ちょ、あんまりみないで下さい!」


「瑠香もこうしてたけど。」


「うっ…」


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