眠り姫の唇


「…岩城さん、なんか用事があったんじゃ…。」


その言葉にまた岩城は眉をひそめる。


「なんだ、これから用事でもあるのか?」



用事というかなんというか…。


「あ、買いものに行きたいです。」


瑠香は適当に思い付いたことを口走った。



「…そういうのは早く言えよ。」

岩城はベッドから重い腰をあげ、漫画を本棚に戻す。


あ、やっと帰る気になったかとほっと胸をなで下ろした瑠香だったが、次の岩城の一言にまたため息をつく事になる。









「場所、どこだ?」


車のキーをカチャカチャ言わせながら明らかに一緒に行く雰囲気を醸し出している岩城に、瑠香はげんなりする。


「そーじゃなくて。岩城さん?」


「なんだ?」


「私達そろそろ24時間一緒に居るんですよ?」


それがどうしたとでも言うように、岩城は首を傾げて腕を組む。


い、いやいやいやいや。


「おかしいですって。」


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