眠り姫の唇
「何がおかしいんだ。」
「私達一週間前まで口聞いたこともなかったじゃないですか。」
本当に分からないと言った具合に岩城の眼が鋭くなる。
「ちょっと一緒に居すぎなんじゃないかと…。」
「さっきから何が間違っているのかさっぱりわからん。一緒にいたいから一緒にいるだけだろう。それのどこがおかしいんだ。」
「………………………。」
「…。」
「………………。」
「…何照れてるんだ。」
「て、照れてません。」
顔を真っ赤にしながらしどろもどろに目線をそらす瑠香に岩城は怪訝な顔をする。
「おい、」
「わぁっ、来ないで下さいっ」
「あ゙ぁ?」
部屋をフラフラ逃げ回る瑠香の一言に岩城がカチンとくる。
やっとこさ壁際で瑠香を捕まえると、一生懸命顔を隠す瑠香の手を強引に外した。
困ったような表情で下を向く瑠香に岩城はまたイケナイ衝動に駆られる。
「お前は一緒にいたくないのか?」
「や、そうじゃないんですけど…」