愛してんで
次の日


ダイニングルームは、朝食の香りに包まれていた。


カチャッ


おば「あらっ、大貴君おはよう。早いんやね。」


振り返るおばちゃんの目は、まだ赤かった。

目の下に、うっすらと見える隈が、寝ずに奏の側に居た事を伺わせる。


大「…はよ…みんなは?」


おば「まだ、眠ってるんやないかしら。昨日の事で、疲れてるんやろね。ほんまに、ありがとう。」

目尻をクシャクシャにして笑う目には、うっすらと涙が滲む。


大「…奏は…?学校に行けそう…?」


おば「夜中から、熱出てね。今日は、休まそ思って…」


大「そっか…なぁ、おばちゃん、俺ら早く帰るから、晩御飯は鍋がいいな…。」

俯きながら問い掛ける大貴の耳は、真っ赤に染まる。


おば「フフッ、そやね。じゃぁ、お鍋の材料、沢山買わんとね。」


いつもの優しい笑顔に戻ったおばちゃんを見て、大貴はシャワールームへと向かった。


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