気がつけば愛でした
「私は彼にバラされるのが怖かった。バラされたら会社に居られなくなると思いました。…でもこんな事になるならバラされても同じでした。」
うなだれる部長に社長は姿勢を直して言った。
「まず、妻子がありながら女性と関係を持ったことが間違いだった。女性とのトラブルは貴方自身の問題です。」
「はい…」
「しかし相手が社外の人間なら我々は口出ししません。問題は、情報漏洩ですから。」
社長の言葉に部長は黙って頷く。
「いくら脅されていたとはいえ、実行したのは貴方だ。それなりの処分は覚悟して頂きたい。」
「はい。わかっています」
関谷部長は覚悟していたのか素直に頷いた。
そして、社長は少し言いにくそうに言った。
「ただ、処分にも色々ある。だから、その…絶望だけはしないでほしい」
社長は追い詰められ、こんなことまでしてしまった関谷部長を処分することについて、気にかけていた部分をやんわり伝えた。
最悪な真似はしないでほしいと。
「大丈夫です。バカな真似はしません。」
部長の言葉に社長はホッとした表情を見せた。
「なら良かった。高杉。明日、朝一で上村に話を聞く。それから2人を会議にかけるから。」
「わかりました」
高杉秘書が頷いた時、高柳の携帯が鳴った。
高柳は離れた所で電話に出る。