気がつけば愛でした
高柳がタクシーに乗り込もうとすると、後ろから追いかけてきた社長が呼び止めた。
「俺も行く。」
運転手に行き先を告げる
「なぁ、静奈ちゃんが誘いに乗ったとは考えられないのか?」
「…確かに、もしかしたらその可能性もあるかもしれません。」
以前、上村について忠告はしていたが、それでも擁護するような言い方をしていたこともあった。
しかし、高柳の前で見ていた静奈は上村に対して警戒心を持っていたのだ。
いくら告白された相手だとはいえ、周りからさんざん上村は女癖が悪いと忠告されていた。
「そんな人が簡単に上村に許すでしょうか。特にあの橘が。」
「…」
静奈がそんな軽い女ではないことを知っている社長は黙り込んだ。
高柳は携帯を取り出し、静奈に電話をかける。
しかしすぐに留守番電話に繋がってしまった。
「頼む。出てくれ。」
高柳は静奈に電話をかけ続けた。