気がつけば愛でした




「いや、そのまま帰るよ。今日は1日会社を空けることになるね。何かあったらすぐに携帯に連絡するように。」

「わかりました。高杉さんを連れていかれるんですよね?でしたらそちらにご連絡致します。」

「頼んだ」



社長はにっこり微笑む。
全くもってイケメンだ。静奈は社長である五十嵐暁人のことを頬を赤らめることなく、しかし素直にそう思った。

先代が我が社を創設して13年たった頃、病に倒れ、社会人になりたてだった暁人が社長についてから7年。

この会社は急成長した。 少しやり方は強引だが口も上手く、人当たりも良い。頭の回転も早いため業界内ではそこそこ評判のようだった。

つまり、1代目にはない才があったのだろう。


ただまぁ、そのルックスが故になのか。
多少、女好きな点が痛いところではあるのが。



< 23 / 348 >

この作品をシェア

pagetop