気がつけば愛でした
「いや、そのまま帰るよ。今日は1日会社を空けることになるね。何かあったらすぐに携帯に連絡するように。」
「わかりました。高杉さんを連れていかれるんですよね?でしたらそちらにご連絡致します。」
「頼んだ」
社長はにっこり微笑む。
全くもってイケメンだ。静奈は社長である五十嵐暁人のことを頬を赤らめることなく、しかし素直にそう思った。
先代が我が社を創設して13年たった頃、病に倒れ、社会人になりたてだった暁人が社長についてから7年。
この会社は急成長した。 少しやり方は強引だが口も上手く、人当たりも良い。頭の回転も早いため業界内ではそこそこ評判のようだった。
つまり、1代目にはない才があったのだろう。
ただまぁ、そのルックスが故になのか。
多少、女好きな点が痛いところではあるのが。