気がつけば愛でした
アハハと声を出して笑っている。
その様子をポカンと見ていた静奈はハッとした。
「まさか…嘘…?」
「当たり前だ。酔ってベロベロな女を抱く趣味はねぇよ。」
「なっ…!」
酔っ払った様子を言われ、サッと頬を赤くする。
そしてからかわれた事に対してもであった。
何て人なの!
そう思い、高柳を睨みつける。
当の本人はどこか楽しむような目で静奈を見ていた。
「お前…警戒心ってないわけ?」
「なっ、失礼な!アナタに対しては人一倍あります!」
「この状況で?」
高柳は静奈の腰に手を起き見下ろしている。
見上げると目の前には整ったきれいな高柳の顔。
人と人とが話をするには確かに近かった。
警戒心があるなんて言えた状況ではない。
「離して下さい!」
慌てて距離をとる。
恥ずかしいくらいに心臓がドキドキしていた。