気がつけば愛でした



混乱する静奈に高柳は甘く微笑む。



「据え膳食わぬは…っていうだろ?」

「!!」



そんな!嘘でしょう!?

嘘だと言って!

…いや…でも何も覚えていない…。

じゃぁ、まさか私、本当に酔った勢いで……!?

あぁ、もう!どうして何も覚えてないの!?


静奈が思い出せない記憶と格闘していると…



「くっ…くくっ」



混乱し、頭を抱える静奈に押し殺したような笑い声が聞こえた。

笑い声?



「え?」



顔を上げると、高柳が口元を抑え、笑いをこらえていた。

いや、正確にはこらえきれていなかったが。



「ぶっ…くくくっ。バカじゃねぇの!?あるわけないだろ、そんなこと。」



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