気がつけば愛でした




「高柳が社長に同行するの、営業課には秘密なんだっけ?」



貴子がパソコンから目を離して聞いてきた。高柳が社長と仕事をすることは、あれから秘書たちに伝えられた。



「はい。課長と部長には伝えられたようですが。社長の仕事を直接手伝っていることは伏せてあるそうです。」

「まぁ、確かにその方がいいよね。」

「え?どうしてですか?」

「高柳って一応はエースなのよ。その分忙しい。でもこれからは社長と仕事しながら、普段の仕事もすることになるのよ。」



入社当時、営業課にいた貴子が深く頷きながら言う。
二年くらい営業課にいたんだっけ。確か、高柳とは一年くらい被って仕事していたはずだ。



「余計忙しくなる彼の足を引っ張ろうとする輩も出てくるかもしれないわ。」

「なるほど…」



高柳にミスさせようとする奴も出るかもしれないってことか。静奈は営業の仕事はよくわからないが、色々あるんだなと思った。



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