棘姫
手術後は腫瘍が悪性だったため月に一度病院へ通い、科学療方…
いわゆる、抗ガン剤治療を半年受けた。
私が急に入院したことに恭哉はもちろん驚いてた。
けど、お母さんが上手く言ってくれたお陰で、あまりしつこくは聞かないでくれた。
その替わり、詳しく病気の話をしていなかったせいで退院後、久しぶりに学校へ行った時は噂が一人歩きしていた。
"一生治らない病気"
"性病にかかった"
"近付くと感染する"
他にもいろいろ。
みんな私を噂のネタにして楽しんでいた。
向けられるのは白い目ばかり。
仲が良かった子とも自然と話さなくなって…
気付いたら私はクラスで独り。
でも、恭哉だけは目を逸らさないでいてくれたの。
周りが何と言おうと、前と同じように接してくれた。
私が恭哉を"好き"なんだと自覚するのに、そんなに時間はかからなかった。
でも…
運命って本当に皮肉だね。
私は恋をしちゃダメなんだ。