秘密の片思い 番外編③
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愛はドレッサーに向かい、長い髪にドライヤーにあてていた。


頬は心なしか上気し、瞳は潤んだままだ。


バスルームで郁斗に翻弄され、慌てて支度をすることになってしまった。


薄手の開襟シャツに、黒いスラックスを穿いた郁斗が端正な顔に笑みを浮かべて寝室に入って来た。


手に氷がたっぷり入った水が入っているグラス。


上機嫌にグラスを差し出され、愛は恨みがましい視線を投げかけ受け取る。


「郁斗、時と場合を考えてね?」


「俺だけのせい?」


郁斗は笑みを浮かべて、水を飲む愛に聞いてくる。


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