秘密の片思い 番外編③
「日……菜、ありがとう。ふたりの子供だから、とてもきれいな子になりそう」


愛は赤ちゃんを日菜の腕の中に返した。


目頭が熱くなり、涙が出てきそうだった。


もう大丈夫だと思ったのに……まだ……。


瞬きを数回繰り返し、涙を堪える。


一生懸命表情に出さないように夢中になっていたせいで、郁斗が見ていたことに気づかなかった。


昼食を食べると、郁斗と愛はマンションへ戻った。


マンションは時々風を入れてもらい、掃除も頼んであるので問題なく過ごせる。


朝倉家にいた時からいつもの愛の笑顔が見られないことに、郁斗は気づいていた。


そして原因も。


やはりまだ愛の心の傷は癒えていないのだ。


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