【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
……。
その後、大雅さんと共にマンションを出た。
本当は龍輝さんが「送ってく」と言ったんだけど、飲酒後の全力疾走の影響がまだ抜けなくて、
「龍輝は寝てな?」の言葉と「何もしないから」を約束に、大雅さんが私を連れて歩き出した。
……。
大雅さんと夜道を歩き、遠くをぼんやりと見つめていた時、
ふと、大雅さんが私の手を握る。
「恋人気分いただきー」
「…何もしないんじゃなかったんですか?」
「こんなの“何か”に入るわけないじゃん」
「私の中では、じゅーっぶん入りますけどね」
「あはは、気にしない気にしない」
…相変わらずの笑顔を見せる大雅さん。
そのまま静かに空を見上げ…、ふっと息を吐く。
「…昔さ、“アイツは気ぃ遣う奴だ”って俺が言ったの覚えてる?」
「あー…、言ってたような、気がします」
…でも正直なところ、気を遣うような人には全然見えないけどね。
「アイツさ、なんつーかこう、すげー偉そうにしてんじゃん?
さっき言ったように、“俺に敵う者無し”な感じでさ。
…まぁ俺は、アイツに敵う奴なんて本当に居ないって思ってるけど。
だけど同時に…、龍輝は見た目ほど強くないんだろうな。ってことも思ってる」
「え…?」
「学園祭で朔ちゃんがキミに告白した時も、新田ちゃんへの言葉も、多分全部上から目線でさ、自信たっぷりの笑顔で“俺は全然平気”な顔してたと思う。
でも、内心複雑だったんじゃないかな。
“本当は嫌だけど、俺がそれを言ったら相手はもっと嫌な気分になるんじゃ?”とか思ってさ」