【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3


……そう、なのかな?

龍輝さんの強気な発言の裏側には、私の知らない弱さがある…?


あ、そういえば…、


「ずいぶん前に朔也さんが言ってました。
恋愛に関わらず、どんなことでも“気にしてねーから”って無駄にアピールするのがあの馬鹿男の特徴。って」

「あ、さすが朔ちゃん。 やっぱりそうなんだね。
顔や態度では気にしてない風を装って、内心メチャクチャ気にしてる。

自信たっぷりで言うからみんな気付いてないけど、アイツはアイツなりに悩んで苦しんでるのかも」


悩んで、苦しんでる。

…もしかして私は、知らず知らずのうちに龍輝さんを苦しめてきたのかも…。




「…もう何年も一緒に居るのに、私は龍輝さんのこと全然わかってないのかも…」


…龍輝さんのこと、理解していたつもりなのにな…。




「んー、すべてを理解するのは不可能だよ。
俺とアイツは中学から一緒だけど、その俺ですらわかんねーもん。

まぁ、単純馬鹿だから扱いやすいっちゃ扱いやすいけど。
でもさ、ヒトのすべてを知るなんて出来ないよ。

だから、そんなことで悩むのは無意味」

「…無意味、でしょうか…」


「うん、無意味。
わかんないものはわかんない。 知らないものは知らない。

それでも一緒に居て笑い合う。 それでいいんじゃないかな」


…それでいい。

…いいのかなぁ…。

< 52 / 95 >

この作品をシェア

pagetop