拾うな危険!
ぎゃははははは。
と、そいつは地面に転がりながら爆笑した。
「…ぐっ…」
まだ力が入らないシンはゆっくりとそいつを睨み付ける。
「はは。わりぃ、わりぃ。」
そいつはゆっくり
シンの体にやさしく触れた。
ふわっと、先ほどのカナシバリが嘘だったかのように体が自由になる。
その反動で、シンはしゃがみこんだ。
「いったい、何なんだ!!お前は!」
「俺?だから、悪魔なんだって。
『名前を取られた悪魔』
だから、
名前を与えてくれ。」
「は?」
シンは思いっきり顔をしかめた。
今まで散々色々な『見えないもの』を見てきたが、
こんなに変なやつは初めてだ。
「なんだ。まだ信じないのか?
霊体は見えるくせに、
案外、柔軟性がないんだな?」
そいつは、くるんと宙返りをしながらリビングのソファーに座った。