君と、秘密の神隠し
まるで時が止まったかのようで、私は座り込んだまま呆然と彼を見ていた。
靡く髪がうっとおしいはずなのに、耳にかけることもせずにただ呆然と。
『リリカ、時間がないんだ。早く』
揺らぎを見せない彼は、そのままの笑顔で私を急かす。
その声は、まるで魔法。
自然と手が宙に浮かんだ。
私の金髪の長い髪が、その手を止めようと絡むけれど、簡単にすり抜けてしまう。
(駄目、駄目!)
そう心の中で訴えかけるのに、身体が言うことを聞かない。
なんで?!
もう数ミリで、彼の手と重なりそうだ。
冷たさを含んでいそうな、真っ白い手に触れてしまえば、何もかもが変わってしまいそうで、怖い。