君と、秘密の神隠し
怒りで顔を歪め、いつものように私の頬をつねった。
でも、その力はいつもよりも弱いように思える。
息切れして肩で息をする弘樹は本当に心配してくれているみたい。
だけど、弘樹には悪いけれど、私は金髪の彼から目が離せなかった。
シルクのように滑らかな金髪の髪から、
ビー玉のような美しい金色の瞳から、
彼の漆のような肌から、目が離せないのだ。
彼は残念だといわんばかりに眉をハの字にさせて困ったように微笑んだ。
あ、と思った時には、ブラックホールはあっけなく消えたのだ。
幻だったんじゃないかってくらい一瞬で。
消える瞬間、微かに風が舞って私の髪を最後に靡かせた。
「おい、リリカ?大丈夫かよ?」
そんな弘樹の声に返そうと口を開くけれど、声がでない。
あれ、どうしたんだろう私。
おかしいな、さっきまでは眠くなかったのに・・・・。
強制的に眠らされるかのようにまぶたが重くなってくる。