君と、秘密の神隠し
驚いて顔を上げると、緑の中に黄金が輝いている。
それは太陽の光なんかじゃなくて、それよりも神々しい。
目を凝らさなくいてもわかる。
”彼”だ。
あぁ、夢の中でまででてきてしまうだなんて、どうかしてる自分。
「リリカ、こっちに来ちゃったんだ?」
また鹿のようにしなやかな動きで近付いてくると、驚くまもなく彼は一瞬にして私を抱きかかえた。
まさに憧れだったお姫様抱っこ。
(王子様みたいな人にお姫様抱っこされちゃった・・・!)
なんてはしゃいでみたり・・・。
い、いかんいかん。
正気に戻れリリカ。
「あ、あの!」
「ん?」
夢の中であろうと、さっきと違って喋れるようになった私は聞きたかったことを聞こうと思い切って声をかける。
彼は前を向いて歩いたまま、穏やかな声で返事をした。
「なんで、私の名前を知ってるんですか・・・?」
「あぁ」と納得したかのように曖昧な言葉を発する彼。
どの角度から見ても綺麗だなぁ・・・。
「昔から知ってるよ、なんて言ったら怖いかな?」
意地悪気に微笑んで、至近距離で私を見つめる。