君と、秘密の神隠し
そ、そんな至近距離で見つめられたら寿命が・・・!
自分でもわかるくらい頬に熱が集まってきている。
絶対今の私は真っ赤かなトマトだ、断言できる。
「トマトみたい」
しかも、彼がそう言ったなら絶対そうだ。
現に今彼はそう言って可笑しそうに笑っている。
「じ、じゃぁ、あなたは・・・誰なの?」
話を逸らそうと言った言葉なのに、彼は一瞬にして真剣な表情にした。
切り替えの早さに驚くほど一瞬だった。
太陽の光が彼の金髪を輝かせる。
「知りたい?」
「・・・え、う、うん。まぁそりゃぁ知りたいけど、別に嫌なら言わないでいいし・・・。いや、やっぱり知りたいかな?う~ん、でもやっぱり・・・」
「うん、ちょっと黙ってね」
ぴしゃりと、彼に遮られた。
あぁ、また私の悪いクセだ。
焦ってしまうと何度も同じことを言ってしまう。
「”まだ”ここでは言えない。けど、君はいつか私が誰なのかすぐにわかる」
一人称が私?!
弘樹の口の悪さを何年も傍で聞いているから、まるで謎の生命物体と話をしているみたいだ。
「いつかって、いつ?」
「いつか、だよ」
「・・・・・・」
「そんな不満げにしなくても」と、またクスクスと笑う彼。
そして思い出したかのように立ち止まると、私をそっとバラ園のようなところに降ろした。
「もう時間かな?あぁ、そうだ。初めに言っておこうか。
あまり私を美化しないほうがいいよ?」