君と、秘密の神隠し

***


・・・なんていう夢を見てしまったんだろう。



目が覚めた時、私は顔から火が出るくらいに真っ赤になった。
だだだ、だって!
あ、あの人とキスする夢を見てしまうなんて・・・!!



やけにリアルだった唇の柔らかさを思い出して、そっと指で唇をなぞった。



うう・・・、夢の中でファーストキスを奪われてしまった・・・。



「百面相女、いい加減俺を無視すんじゃねぇっていつも言ってんだろ」


「うひゃ?!ひひ、弘樹?!」


くわっと鬼の表情になっている弘樹さん登場。
あぁ、ごめんね弘樹。
私のファーストキスはあんたに渡そうと決めていたのに。
と勝手に謝る。


そんなことも知らない弘樹は相変わらず不機嫌そうに眉間に皺を寄せて貧乏揺すりしている。



「弘樹、飴いる?」


甘いものはイライラにいいって日本に来て知ったの。


「いらねぇよ!!」



ギロリと鋭い瞳で私を見る弘樹は、飴なんか必要ないらしい。
そんなにイライラしてるのに。



ボケッとしている私を見て、弘樹は「お前マジでむかつくな」と言った。



ギシッと、保健室のベッドに腰掛ける弘樹の肩は、少し震えていた。
鋭い瞳の奥に、戸惑いの色がでている。



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