ワケあり!
ピーカン
梅雨明け宣言も出て、明るい夏の太陽になった空。
ボスは、朝からそわそわしすぎていた。
誕生会の当日。
正確には、一日目だ。
今日、昼間にペンションに向かい、泊まり掛けで天体観測をする。
ピンポーン。
お迎えのチャイムだ。
ボスの背筋が、びくぅっと伸びた。
「やっほー絹さん。準備できた?」
カメラの向こうで、了がぴょんぴょん跳ねている。
「ええ、ばっちり」
さぁ、出かけようと思っていた絹は、島村がいないことに気付く。
「島村さんは?」
「私が起きたのと入れ違いで研究室から出てきたなぁ、徹夜したみたいだぞ」
と言うことは、寝ているのかも。
「一応、一言言ってきますね」
絹は、島村の部屋の前へ行った。
そう言えば、この部屋に入ったことはなかったなぁ。
彼が、部屋にこもってるのを見たことがない。
もっぱら、研究室か居間あたりだ。
「島村さーん」
コンコン。
ノックをするが、返事はない。
ドアを、ちょこっとだけ開ける。
ベッドと机しかない部屋だ。
毛布が芋虫みたいになっているので、寝ているのは間違いない。
この時、ふと絹に悪戯心が起きた。
彼には寝顔を見られたことがあったので、やり返しておこうと思ったのだ。
ふんふふーん。
足音を立てずに、ベッドに忍び寄る。
寝顔はいけーん。
ひょい。
そんな、絹の目に映ったのは――
あれ。
死んだように眠る、島村の頭の横に落ちているものが。
写真。
「……!!」
声にならない悲鳴をあげて、絹は飛び退いた。
そのまま、ドアまで後退して、そそくさと部屋を出る。
み、見なかったことにしよう。
島村の秘密を盗み見てしまった罪悪感から、絹は記憶の抹消を試みた。
写真に映っていたのは――ゴージャス天野だったのだ。
梅雨明け宣言も出て、明るい夏の太陽になった空。
ボスは、朝からそわそわしすぎていた。
誕生会の当日。
正確には、一日目だ。
今日、昼間にペンションに向かい、泊まり掛けで天体観測をする。
ピンポーン。
お迎えのチャイムだ。
ボスの背筋が、びくぅっと伸びた。
「やっほー絹さん。準備できた?」
カメラの向こうで、了がぴょんぴょん跳ねている。
「ええ、ばっちり」
さぁ、出かけようと思っていた絹は、島村がいないことに気付く。
「島村さんは?」
「私が起きたのと入れ違いで研究室から出てきたなぁ、徹夜したみたいだぞ」
と言うことは、寝ているのかも。
「一応、一言言ってきますね」
絹は、島村の部屋の前へ行った。
そう言えば、この部屋に入ったことはなかったなぁ。
彼が、部屋にこもってるのを見たことがない。
もっぱら、研究室か居間あたりだ。
「島村さーん」
コンコン。
ノックをするが、返事はない。
ドアを、ちょこっとだけ開ける。
ベッドと机しかない部屋だ。
毛布が芋虫みたいになっているので、寝ているのは間違いない。
この時、ふと絹に悪戯心が起きた。
彼には寝顔を見られたことがあったので、やり返しておこうと思ったのだ。
ふんふふーん。
足音を立てずに、ベッドに忍び寄る。
寝顔はいけーん。
ひょい。
そんな、絹の目に映ったのは――
あれ。
死んだように眠る、島村の頭の横に落ちているものが。
写真。
「……!!」
声にならない悲鳴をあげて、絹は飛び退いた。
そのまま、ドアまで後退して、そそくさと部屋を出る。
み、見なかったことにしよう。
島村の秘密を盗み見てしまった罪悪感から、絹は記憶の抹消を試みた。
写真に映っていたのは――ゴージャス天野だったのだ。