ワケあり!
行き先の話を聞いて、絹は愕然としながらも納得していた。
『養成施設』をつぶす、というのだ。
簡単に言おう――絹のいた施設である。
「養成されている人間は、ほとんど非合法で連れてこられている。要するに、強制収容されてるわけだ」
目元がアキに似ている、年若い男。
外部地図、そしてどこから手に入れたのか、内部地図まで、彼が広げてみせる。
「指導教官を押さえ、彼らを解放して味方に吸収します」
続けられた言葉に、恐ろしいほど納得する。
こちらは、たった六人。
一つの施設を制圧するには、全然足りない。
しかし、向こうは一枚岩ではない。
教官クラスを除けば、逃げることに絶望し、ただ生き残るためだけに生きている者たちだ。
施設そのものに張り巡らされているセキュリティと、教官をなんとか出来れば、内部崩壊が導ける。
「だから、了くんのバックアップがいるのね」
セキュリティは、内部から以外に外部接続もしてある。
もしも、教官たち全員にトラブルが発生したら、遠隔で蟻一匹出入りできなくなるのだ。
そのシステムをハッキングする人間が必要だった。
だから、了は応援を呼んだのだ。
「角川がサポートに入るんだろ?」
「ああ、そういや広井んトコで働いてたな、あのバカ」
密やかに、かわされる言葉。
聞き覚えのある名前だったが、絹は思い出すのはやめにした。
いまは、かつての自分の巣を睨みつけるので、精一杯。
ただ。
ここなら、誰よりも戦える。
絹は――そう確信していた。
『養成施設』をつぶす、というのだ。
簡単に言おう――絹のいた施設である。
「養成されている人間は、ほとんど非合法で連れてこられている。要するに、強制収容されてるわけだ」
目元がアキに似ている、年若い男。
外部地図、そしてどこから手に入れたのか、内部地図まで、彼が広げてみせる。
「指導教官を押さえ、彼らを解放して味方に吸収します」
続けられた言葉に、恐ろしいほど納得する。
こちらは、たった六人。
一つの施設を制圧するには、全然足りない。
しかし、向こうは一枚岩ではない。
教官クラスを除けば、逃げることに絶望し、ただ生き残るためだけに生きている者たちだ。
施設そのものに張り巡らされているセキュリティと、教官をなんとか出来れば、内部崩壊が導ける。
「だから、了くんのバックアップがいるのね」
セキュリティは、内部から以外に外部接続もしてある。
もしも、教官たち全員にトラブルが発生したら、遠隔で蟻一匹出入りできなくなるのだ。
そのシステムをハッキングする人間が必要だった。
だから、了は応援を呼んだのだ。
「角川がサポートに入るんだろ?」
「ああ、そういや広井んトコで働いてたな、あのバカ」
密やかに、かわされる言葉。
聞き覚えのある名前だったが、絹は思い出すのはやめにした。
いまは、かつての自分の巣を睨みつけるので、精一杯。
ただ。
ここなら、誰よりも戦える。
絹は――そう確信していた。