ワケあり!
「でも、あの高尾っていう人には、気を付けてね。パパも、高校時代にその親に、しつこく絡まれてたみたいだから」

 心配そうな了に頷く。

 どうやら、上二人の兄弟は、高尾への敵意をむき出しにしていただけだと分かった。

 それが険悪な気配を作っていたのだ。

 納得した絹は、放課後の呼び出しに、心を飛ばそうとした。

 だが、了がぷぷっといきなり吹き出したので、その意識は飛び散ってしまう。

「そういえば、絹さん…あの男を職員室で張り倒して、自分の保護者も呼べってタンカきったんだってね」

 うぷぷぷ。

 想像して笑う了。

 将は、一体どんな大げさな説明をしたのかと、絹を苦笑させたのだった。
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