身代わり王女に花嫁教育、始めます!
下半身に力が入らない。

カリムのひざに乗せられ、彼の手は遊ぶようにリーンの胸元を彷徨っている。


「え? あの巫女って」

「神官を知っているくらいだ。巫女を知らぬとは言わないだろう?」

「それはもちろん。バスィールにも神殿がありますから……でも」


リーンの長く美しい黒髪を手ですくい、カリムは口づけた。


「巫女でも神官でも、水使いと一緒でなければ“砂漠の舟”には乗れない」


その言葉にリーンは驚いた。


カリムの言うとおりだとすれば、母は巫女の力を持っていたことになる。精霊を呼ぶ呪文を知っていて当然だ。

でも、そんな貴重な存在を、どうして部族の者たちは手放したのだろう。

いくら母が許されぬ恋に落ちて、リーンを身ごもったからといっても。子を産んでも、巫女の力が失われることはない、と聞く。


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