身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「カリムさま……お願いです。どうか……わたしにくちづけを」


リーンは背後を振り返ると、カリムを見上げてねだるように呟いた。


彼は目を見張り、驚きの表情でリーンを見つめる。


(はしたないと思われたかしら? でも、今このときを逃してしまえば……真実を告白する機会は、永遠に奪われてしまうかもしれない)


このままだと近い将来、王の怒りを買う身となってしまう。助けてもらえなくとも、せめて、レイラー王女ではない、と知っていて欲しい。

リーンの――シーリーンの名を呼び、彼のものにして欲しいのだ。


「どうか、一生のお願いでございます。カリムさま、わたしをあなたのものに」


カリムは水滴を落としながらオアシスの泉から上がった。裸体に白いトーブだけを羽織る。

同時に、リーンの腕をつかみ泉から引き上げた。


「……あの、カリムさ」

「黙れ! それ以上、ひと言も口を開いてはならぬ!」


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