身代わり王女に花嫁教育、始めます!
リーンは命じられるままゆっくりと口を開け、震える舌を突き出した。サクルの舌に弄られ、堪え切れずリーンが口を閉じようとしたとき、彼の舌が押し入ってきた。

口腔内を荒れ狂うようにサクルの舌が蠢き、リーンは再び意識が落ちそうになる。


「お取り込み中失礼いたします。陛下、宮殿に到着いたしました。開門のご命令を」


それがアリーの声であることにリーンは気づいた。

だが、身体が思いどおりに反応してくれない。サクルのもたらす唇の愛撫があまりに心地よく、自分から離れることができなかった。

サクルも名残惜しそうにリーンから唇を離し……。快楽の糸がふたつの唇を繋ぎ、やがて途切れる。


「王の帰還だ。開門せよ!」


低い振動とともに石造りの門が開いていく。周囲の塀に比べて門はかなり大きい。

美しい砂漠の宮殿は砂丘に渡した橋の向こうにあった。どうやら、サクルと激しい口づけをかわしている間に、橋は渡ってしまったらしい。


「サクルさま……塀はこんなに低くて大丈夫なのでしょうか?」

「なんだ、橋の下を見なかったのか?」

「遠目で少し……。砂丘に橋を渡しただけではないのですか?」


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