身代わり王女に花嫁教育、始めます!
(なんてこと……これじゃ本当に、愛欲に溺れる淫婦のようだわ)


側近カリムだったころのサクルの言葉を思い出し、リーンは胸が苦しい。


「どうした?」


知らず知らずのうちに、双眸に涙を湛えていたようだ。サクルは驚いたようなまなざしでリーンを見下ろしている。


「わたし……本当にふしだらな躯になってしまったみたいで……申し訳ありません」

「お前は何を言っているのだ」

「でも、本当にサクルさまだけです。あの……悪魔には最後の一線は絶対に許してはおりません。信じてください! お願いします、どうか、嫌いにならないで」

「馬鹿を申すな。よいかシーリーン……私はお前のことが嫌いではない。お前なら、妻にしてもよいと思った。処女を抱くのは面倒だが、どれほど面倒でもお前を抱きたいと思ったのだ。この意味がわからぬか?」

「……サクルさま……」


サクルの頬が薄っすらと赤く染まっていた。

金色の瞳が忙しなく動いている。まるで、注視されることを、照れているかのように。


「王たる私にこれ以上言わせるな。――いくぞ」


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