身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「だ、誰かいるの!?」


カーテンを片手で押し上げ、中に入って来たのは――。


「カ、カリム殿ではありませんか!? ど、どうして……」


リーンは自分が王女を演じていることを思い出し、できる限り威厳を保ちつつ言った。

だが、カリムは一向に焦るふうでもなく。

むしろ余裕綽々の笑みを浮かべている。


「カリム殿! すぐに出て行って……行きなさい!」


思わず、出て行ってください、と言いそうになり、慌てて訂正した。

王の側近とはいえカリムは家臣。一国の王女、しかも数日後には王妃となる彼女が、臣下に“お願い”するのはおかしな話であろう。


「いい加減に……」


リーンがさらに言おうとしたとき、カリムが口を開く。


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