身代わり王女に花嫁教育、始めます!
(そんなはずはない。水使いの血がざわめくなら、この娘も巫女であるはず。だが、この歳で目覚めておらぬ巫女などいない)


彼は軽く頭を振り、


「両手を頭の上に置くのだ。私が確かめやすいようにしてもらおう」


わざと冷ややかな声で命じた。


すると、彼女は腰をくねらせ、カリムを誘うかのように切なげなため息を吐いた。

同時に腕を上げ、胸を彼の眼前に突き出す。下腹部を覆う茂みは、髪より瞳の色に近い焦げ茶色に見える。

両脚は太腿を固く閉じ――その仕草は、奥に潜む部分を想像させ、男の欲望をいっそう掻き立てた。


(野うさぎではなく、実は女狐か?)


カリムは息を飲み、彼女の前に立つ。


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