身代わり王女に花嫁教育、始めます!
しかし、彼女の唇に重なる瞬間、それはリーンの頬に触れた。


「あなたの中に押し入る権利は私にはない。もし唇を重ねたら、私はその禁を犯すだろう」


リーンがリーンであったなら、このカリムにすべてを捧げても悔いはない。今このとき、彼女はそう思った。

だが、今の彼女はレイラー王女。

勝手にそんなことをしてしまえば、取り返しのつかないことになってしまう。


「わたしは……わたくしは……」

「私が王であれば、この場で妃を押し倒すだろう。だが、王は違う方法を望まれるかもしれない」

「ちがう……方法?」

「そうだ。もう一度しっかり握り締めてくれ。そして、花嫁のなすべきことを教えよう」


カリムは頬から耳たぶに口づけながら、リーンの手に猛りを掴ませた。


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