身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「あの……浴用の布で」

「そんなものは不要だ。王への奉仕は素手でするように」


リーンの両手にカリムの手が添えられ、しっかりと掴まされる。

それはしだいにリズムをつけて上下に擦り――カリムの荒い息が聞こえた直後、リーンの手の中ではじけ飛んだ。


「カリムどの? あの、カリムどの、これは」


先端から放出された液体はリーンの手をべたつかせた。

カリムは呼吸を整えると、


「口で、という訳にはいかぬからな。そのまま湯で流せばよい」


物憂げなまなざしをリーンに向けた。


彼女は言われるまま湯を汲み上げる。彩り鮮やかなタイルを貼り付けた浴槽に、なみなみと注がれた湯。

この砂漠にあって、これほどの贅沢は望むべくもないだろう。


< 87 / 246 >

この作品をシェア

pagetop