なみだのほし−Earth Tear Chlonicle−
◇
「−狼だ!!家に隠れろ!!男衆は松明を持って来てくれ!」
外で誰かが叫んだ。
「狼?!…レネが襲われたやつか?」
ディニは窓に駆け寄り、外の闇に目をこらした。
−その時。
「!!−レネ?!」
風が通り過ぎた。
長い黒髪を揺らして、レネが戸口へと駆けて行く。
「待てよ!」
ドアノブに彼女の手が掛かる前に、ディニはどうにか前に回り込んだ。
外からは、風に乗って獣臭が漂っていた。
「何するつもりだ!?まさか戦うなんて言うつもりじゃないだろうな!?今出てくなんて、気でも違ったのかよ!」
レネは、涙の跡で真っ赤になった瞳で、キッとディニを睨みつけた。
「…決まってるじゃない。あいつらを追っ払いに行くんだ。あたしが武踏(ぶとう)習ってるの、知ってるでしょ?」
確かにレネは、ユマに武踏を習っていた。流浪の民の戦闘術で、ユマも両親から受け継いだ。
「…、だからって君に何が出来るんだよ!相手は人間じゃない。君がちょっと拳を振り回しただけでひるむような奴らか?!
しかも、ユマはどうするんだ。ここに置いて行くのか?!」
「−だったら!!」
必死に止めるディニをさえぎるように、レネは叫んだ。
「だったら、あたしが離れないで側にいればユマは守られるの?!家の中にいたら安全だって、誰が言ったの!あたしが戦えば、その分奴らはユマに近寄らないじゃない。もしかしたら、誰も死なないですむかもしれないじゃない!
…それとも。…それとも、あたしがおとなしくここで震えてたら、あんたが守ってくれるの…?」
動けなかった。
命のど真ん中を、刺し貫かれたようだった。
動けないディニの脇をすりぬけて、レネは夜の闇へ飛び出した。
大切な幼なじみを傷つけたのは、分かっていたけれど。
「−狼だ!!家に隠れろ!!男衆は松明を持って来てくれ!」
外で誰かが叫んだ。
「狼?!…レネが襲われたやつか?」
ディニは窓に駆け寄り、外の闇に目をこらした。
−その時。
「!!−レネ?!」
風が通り過ぎた。
長い黒髪を揺らして、レネが戸口へと駆けて行く。
「待てよ!」
ドアノブに彼女の手が掛かる前に、ディニはどうにか前に回り込んだ。
外からは、風に乗って獣臭が漂っていた。
「何するつもりだ!?まさか戦うなんて言うつもりじゃないだろうな!?今出てくなんて、気でも違ったのかよ!」
レネは、涙の跡で真っ赤になった瞳で、キッとディニを睨みつけた。
「…決まってるじゃない。あいつらを追っ払いに行くんだ。あたしが武踏(ぶとう)習ってるの、知ってるでしょ?」
確かにレネは、ユマに武踏を習っていた。流浪の民の戦闘術で、ユマも両親から受け継いだ。
「…、だからって君に何が出来るんだよ!相手は人間じゃない。君がちょっと拳を振り回しただけでひるむような奴らか?!
しかも、ユマはどうするんだ。ここに置いて行くのか?!」
「−だったら!!」
必死に止めるディニをさえぎるように、レネは叫んだ。
「だったら、あたしが離れないで側にいればユマは守られるの?!家の中にいたら安全だって、誰が言ったの!あたしが戦えば、その分奴らはユマに近寄らないじゃない。もしかしたら、誰も死なないですむかもしれないじゃない!
…それとも。…それとも、あたしがおとなしくここで震えてたら、あんたが守ってくれるの…?」
動けなかった。
命のど真ん中を、刺し貫かれたようだった。
動けないディニの脇をすりぬけて、レネは夜の闇へ飛び出した。
大切な幼なじみを傷つけたのは、分かっていたけれど。