なみだのほし−Earth Tear Chlonicle−


月は相変わらず顔を見せない。しかし、その獣の足取りは確かだ。彼らは、遠くに見える明かり目指して疾走していた。

「…広い村だな。テテム、急げ。」

『御意』

返答は確かに二人を乗せた獣の口から聞こえた。レネがつかまった背中越しに前を覗き込んでも、そこには巨大な犬の頭があるばかり。

「あまり乗り出すな。落ちるぞ。」
「…うん」

レネは、少年と共に紅い羽犬の背に乗っていた。言葉をしゃべる不思議な獣は、この少年に従う者であるらしい。

−どういう生き物なのか。

尋ねようとして、彼の名前を知らないことに気付いた。

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