なみだのほし−Earth Tear Chlonicle−

「こっちが一番民家も少ない。山へ戻った方が安全だろう」

子供に言い聞かすように言っても、レネの漆黒の瞳は燃え立つばかりだった。

「駄目!あたしはあたしの大事なものを守りたいの!あたしの家を守りたい。それだけだよ!」


−この少女には何度も驚かされているが、ラグーは再び驚いた。

どうやらもめて家を出て来たようだったので、戦う理由は村の中にあるのだと思っていた。が、どうやらそれは違うらしい。

「…方向を変えれば他の村人を危険にさらす。それでもいいのか!」

あまりに勝手な言い分に、ラグーは厳しい口調で言った。ラグーの背中越しに、二人の視線が火花を散らす。

「…関係ないよ。」

有無を言わせない返答だった。

「あたしはそんなに偉いひとじゃない。あたしのものを守れれば、いい。」



次の瞬間のレネの行動は、予想外だった。

飛行するテテムの背から、飛び降りたのだ。

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