河のむこう
俺も、一度死んでる・・・・。
「話が、ぜんぜん見えないんだけど」
あたしは言った。
「はぁ・・・」
彼がため息をつく。
なんでため息つくのよ・・・
「これ、見ろ。」
分厚い本を手渡される。
表紙には、「説明書」と書いてあった。
「それ、お前の説明書。お前の今までの人生と、これからのことが記してある。」
本をめくる。
たくさんの項目に、チェックがされていた。
その中のひとつ、「愛」にはチェックがない。
男性が口を開く。
「人間は、説明書に沿って生きているんだが、その項目すべてを埋め死んだとき
天に召される。 しかしそのすべてを埋めず、事故や病気で死んだとき、俺らのように河のむこうにおいていかれるってワケだ。」
・・・・・・。
今度はあたしが眉間のしわを深くする。
「・・・どうしたんだよ。」
男性が顔をのぞいてきた。
「っひゃぁ!」
距離の近さに驚いて、あたしはのけぞってしまった。
「あぶねっっ・・・!」
ーーーーザバンッ!
あたしたちは河に落ちてしまった。
「がふっ・・・」
しまった!あたし泳げない・・・!
意識が朦朧とする中、男性の顔が目の前にきた。
・・・!
あたしは、男性に担がれて、河から上がり原っぱに座らされた。