河のむこう
人間には、こなさなくてはならない、たくさんの項目があるらしい。
恋や愛、家族、仲間、困難、成功・・・などだ。
その項目をすべて埋め、寿命が尽きるなりなんなりで死ねば、そのまま天に逝けるという。
しかし、1つでも埋めずに死ねば、三途の川のむこう岸においていかれ、そこで埋めなかった項目を埋めると、あの世からこの世にかえって人生をやり直せる。ということらしい。
あたしの説明書では、「愛」の項目が埋まっておらず事故で死んだ。だから、この河のむこうにおいていかれ「愛」を見つけて、人生をやりなおせ。と・・・
そして、この男性も、愛を埋めずに死んだ・・・だから、あたしと「愛」を見つけてこの世にかえりたいらしい・・・。
「・・・って、こんなの納得できるかぁぁぁぁ!!!!」
あたしは絶句した。
いきなり叫んだあたしを見て、男性は涼しげな目を丸くした。
あっ・・・かわいいかも。
じゃなくて!!
「つまり何!?あたしとあんたが恋人同士になれってこと!?」
「・・・恋人というか、なんだ、その・・・夫婦的なものに、なりゃあいいんだよ。」
男性はどぎまぎしながら顔をそらした。
なに自分で言って照れてんの、こいつ・・・。
「・・・照れちゃって・・・」
「なっ、なんだと!」
すごい勢いで、男性が振り返った。
目が合う。
「・・・」
「・・・」
男性はじょじょに顔を赤くしていった。
さっきまでクールなカンジだったのに・・・。
なんだか、かわいく見えてきちゃった。