おかたづけの時間
5 終わらない戦い
翌週の日曜日。あたしはジーンズにTシャツという動きやすい格好で、紙袋に未使用のタワシやスポンジや洗剤やゴム手袋を入れてバスに乗った。台所でそんなものをごそごそと準備しているあたしを見て、夏樹は一体何しに行くんだと唖然としていたが無視しておいた。
 しょうがないでしょう。こちとら人助けの真っ最中なんだから。
 そう言いたかったがぐっと飲み込んだ。あまりといえばあまりのことなので、ゴミ屋敷の事は秘密なのだ。
 彼の家に到着すると、先日、家の外に積んでおいたゴミ袋の山は片付いていた。頑張って一人で運んだようだ。ほめてあげたい。
 アイスを買ってきたので二人で食べて、早速作業にとりかかることにした。
 悲しいことに、「そこ」はあたしが先週来た時のままだった。これから始まる共同作業が、本当に嫌だ。
 あたしは窓を開けてシンクのふちを、手に持ったほうきでばああんと叩いた。
 すると、ガサガサと大量の…ゴ…じゃないのよ。
 フナムシよっ!
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