手を出さないと、決めていたのに
「キスするよ」
「え!! 何!? 」
少し顔を傾け、近づいてくる顔に、姉は素早く両手で抵抗した。
「え、何!? どうしたの!?!?」
「どうもしないよ」
その両腕をしっかり掴んで、ベッドに押し倒す。
「ちょっ、正美!! 何!? 欲求不満なの!?!?」
「いいや」
「正美に彼女がいないのに、私が彼氏がいるって言うから怒ってるの!?」
「何の話?」
見下ろしながら笑ってやる。つかんだ手首は細く、力を入れると痛がるのが目に見えた。
「何? 何!? お願いちょっと離して!! 」
「嫌だよ……。19年……捕まえるのに苦労したんだ」
「そんな、4歳のときのことなんて覚えてないでしょ!? どうしちゃったのよ、何? 何か私にできることなら協力するから、なんか悩み言ってみてよ! 」
「だから言ったよ。姉さんが好きだって。悩みだったよ、ずっと。兄弟として接しなきゃならないし、姉さんは姉さんで好きに彼氏作るし」
「正美、それは錯覚よ。なんか勘違いしてるのよ!! 」
「憧れとか?」
「うんそう、そうよ! 私の方が年上だから、色々よく見えるのかもしれない」
もう一度見下すように笑う。
「そうだね……。姉さんが、ろくでなしを好きで、追いかけていっちゃうような一途で可愛いところがある人だとか……?
いつ結婚してくれるかもしれないのに、平気で待ち続けるなんて夢見てるところとか?
よく見えたのかな」
「……」
姉は見たこともないような表情でこちらを睨んだ。
「憧れなんかじゃないよ。姉としてじゃない。兄弟としてじゃない。人として好きなんだよ」
ゆっくりと顔を下ろす。
「え……あ……嫌!!」
「え!! 何!? 」
少し顔を傾け、近づいてくる顔に、姉は素早く両手で抵抗した。
「え、何!? どうしたの!?!?」
「どうもしないよ」
その両腕をしっかり掴んで、ベッドに押し倒す。
「ちょっ、正美!! 何!? 欲求不満なの!?!?」
「いいや」
「正美に彼女がいないのに、私が彼氏がいるって言うから怒ってるの!?」
「何の話?」
見下ろしながら笑ってやる。つかんだ手首は細く、力を入れると痛がるのが目に見えた。
「何? 何!? お願いちょっと離して!! 」
「嫌だよ……。19年……捕まえるのに苦労したんだ」
「そんな、4歳のときのことなんて覚えてないでしょ!? どうしちゃったのよ、何? 何か私にできることなら協力するから、なんか悩み言ってみてよ! 」
「だから言ったよ。姉さんが好きだって。悩みだったよ、ずっと。兄弟として接しなきゃならないし、姉さんは姉さんで好きに彼氏作るし」
「正美、それは錯覚よ。なんか勘違いしてるのよ!! 」
「憧れとか?」
「うんそう、そうよ! 私の方が年上だから、色々よく見えるのかもしれない」
もう一度見下すように笑う。
「そうだね……。姉さんが、ろくでなしを好きで、追いかけていっちゃうような一途で可愛いところがある人だとか……?
いつ結婚してくれるかもしれないのに、平気で待ち続けるなんて夢見てるところとか?
よく見えたのかな」
「……」
姉は見たこともないような表情でこちらを睨んだ。
「憧れなんかじゃないよ。姉としてじゃない。兄弟としてじゃない。人として好きなんだよ」
ゆっくりと顔を下ろす。
「え……あ……嫌!!」